再会の街で

オススメ度:★★★★☆

舞台はNYマンハッタン。
家庭にも仕事にも恵まれた生活をしているが
どこか満たされないモノを感じていた歯科医の"アラン"は
ある日、大学時代の友人"チャーリー"を街で見かけ偶然の再会を果たす。
だが、彼は9.11のテロで最愛の家族を
一度になくしてしまって以来心を閉ざしてしまっていた。
そんな二人は徐々に共に過ごす時間が増え互いの心を癒していく



"アダム・サンドラー"主演作品と知って
予告を観たときからリリースを心待ちにしていた作品。
今までに観たことの無い役を演じるという事で
些か期待しすぎている所もあったので
序盤少し期待しすぎたか?と不安になっていたのですが
観終わった今待った甲斐があったと心から思います。


9.11でハイジャックされた飛行機に乗り合わせていたため
一度に家族を失ってしまったショックから
家族の存在を忘れ、家族を知る人を避け
街に溢れるニュースを聴かないためにヘッドホンでオールデイズソングを流し
"ワンダと巨像"、そしてキッチンの"リフォーム"に没頭するチャーリー。
その姿は予想通り今までに観たことの無いアダムですが
予想以上に痛々しい姿でもありました。


そんな彼の不安定で閉ざされた心を反映するようなBGMが非常に心地よく
更に後半彼が今まで誰にも打ち明けなかった
悲しみと苦悩をぶちまけるシーンでは
直前のあまりにも惨い展開と相まって思わず涙が零れました。


そのチャーリーの姿や劇中で"9.11"の名が直接出ず間接的に
それと分かる表現のみで抑えられていたりと
きっとコレはフィクションではなく
あの街では実際今も"チャーリー"が1人、2人じゃなく
現実に生きているんですよね…
それだけにラストの演出が凄く大好きです。