宮廷料理人ヴァテール

宮廷料理人ヴァテール [DVD]

宮廷料理人ヴァテール [DVD]

オススメ度:★★★☆☆

1671年、フランス。

コンデ公の居城シャンティイに、太陽王ルイ14世が3日間訪問することになった。

このチャンスにぜひとも国王の信頼を回復したいと願ったコンデ公は

ベルサイユを上回る豪勢で贅沢な宴を料理長ヴァテールに託すのだった……。
太陽王ルイ14世を招き盛大に行われた3日間の宴と
そのすべてを取り仕切った実在の天才料理人ヴァテールをめぐる人間ドラマ。

華やかで明るい春の色調で纏められた国王サイドと
落ち着いた秋の色調で纏められたヴァテールサイドの対比が凄く面白かった
ただ、見終わった今の気持ちとしてはとにかく"切ない"の一言。


色々な私欲に巻き込まれ絶望に染まっていくヴァテール
いかなる権力にも自分の意思を貫いていた彼だから
どちらが切欠と言うわけではなく、どれか一つが原因ではなく
全ての要因が少しずつ重なって最後にはあの道に行き着いたんだろうから


もしそれぞれに用意されていた救いに気が付いていれば
別の結末もあっただろうけど、それら全てが行き違って見落としているのが
現実的といえばそうなんだろうけど、ほんっと切ないなぁ…。


でも、ラストのあの物悲しい空気感は大好きです。
ただ説明不足感が勿体無いかなぁ…情報量の割りに説明量が不足気味で
最初登場人物のさり気ない言葉の中から
情報を拾っていくまでがチョット混乱してしまいました。



それにしても、"ユマ・サーマン"はこの手の役が凄く似合いますよね
なんていうんでしょうか?
"ファンティーヌ"役の時も思ったんですけど
瞳の中に諦めの色を宿した儚い女性像が凄く好きでしてね
最初は"ジェラール・ドパルデュー"目的で観ていたんですが
唯一ヴァテールの救いともなる重要な役どころということもあって
気が付けばユマばっかり観ていました
その分ラストがねー………orz


また、アカデミーやセザールで評価された美術以外に
フランス、イギリス共同制作というだけあって
イギリス側からも"リチャード・グリフィス"が出ていたり
見知った顔が色々と出ていてソコも個人的には結構な見所でした。




もしかして、辛うじてこの作品が置いてあったのは
共同制作にイギリスが含まれていたのが大きかったのかと思い始めたり。