イン・ザ・ベッドルーム

オススメ度:★★★★☆
時々こういうテイストの作品が見たくなる時があります。
と言ってもいつもの事ながら細かく解説を読むわけではなくジャケットの感じが気に入って次に軽く解説を流し読みして「よし」と決めるので偶に思っているのと全然違うのを借りたりしますけどね。


今回は思っていたとおりの重い大人の内容でした、いや、想像以上に重かったです。
思い返すと頭と最後で全く別の映画?とも思えるほどの変わり方にちょっと置いてけぼり…
この結末は、想像してなかった訳じゃないんですけど、まさかこうなるとは………
後半に進むに連れドンドン最悪の結末への道が用意されて辛い場面の連続でした。
そんな事もあって個人的には、中盤にマットが息子の机で声を殺して泣くシーンと、終盤に入って直ぐのマットとルースの抑えていた感情を吐き出しての口論から始まる一連のシーンが見所だと思います。


見所と言えば、この作品に登場する2人の女性。
ルース役のシシー・スペイセクとナタリー役のマリサ・トメイが非常に素晴らしかったです!
それと初めてみる父親役のトム・ウィルキンソンも非常に素晴らしい演技でした!

今も残るあのシーン。

一日経って頭に強く残るのは意外にも昨日書いたどれとも違うラストで
マットが「2人の笑顔の写真が飾ってあった」と呟くシーンです。
たぶんこの一言がこの物語の全てなんだろう、と今は思う。


以下過度のネタバレ含む感想なので反転。

物語上は逆上した夫に息子が射殺されたにも関わらずその男は良くて懲役15年
その現実に耐えられず、ついには友人と協力して殺してしまう。
話しの主観が親から描かれているので、当然夫は完全な悪役として描かれていますが
この2人は別居中でありまだ正式に離婚しているわけではない
その経緯は描かれなかったが、どうであれ完全に息子のフランクが寝取った形である。
事件が起こるまでにも夫は復縁を望んでいたのだし、視点を変えれば息子を悪役にも出来る。
つまり、あの言葉はナタリーは自分たちのフランクに対する存在と同じく彼にとって尊い大切なモノだったと気が付いたと言うことなのだろう。
それが理不尽に奪われ*1許せず、ついには殺してしまった。
自分と彼は同じだったんだ。
そう気が付き自分の犯してしまった罪に苦悩する、手を見つめるのもそう言う事なんだと思う。


作中その後のマットは描かれなかったけど、途中目撃されているし元々容疑者になる要素は十分なので捕まるか、自首するか、自殺の何れかだと思います、ハッピーエンドは無いよね。

そんな感じで評価を★2つから★4つに変更です。
ジックリと後から効いてくる色々と考えさせられる作品ですね。

*1:自分の暴力が原因で別居になったという事は、自分たちが2人の付き合いを止めさせなかったと言う所で相殺。